鐘井輝の経営レポート

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長沙、上海2006 視察レポート

2007年01月10日

長沙、上海2006 視察レポート

鐘井輝経営事務所

長沙、上海2006視察レポート
平成18年7月10日~13日

鐘井輝経営事務所

中小企業診断士 鐘井 輝

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長沙、上海2006視察レポート
上海市内は乗用車が急増
年間の交通事故死亡者130万人、自動車車輌価格VW 約200万円
ナンバプレート代約40万円(平均落札額31,832 元2004 年)
3LDKの住居は1,300 万円~1,500 万円

1960年代前半の日本の経済指標に対応
平均寿命、乳児死亡率、1 次産業GDP比、都市部*エンゲル係数等
*エンゲル係数=消費支出に占める食料費支出割合

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長沙、上海2006視察レポート
格差の広がる最低賃金
全国で最も高い上海市の最低賃金は635元(9,525円)
最も低い地区の245元(3,675円)2.6倍
湖南省のメリットは人材と天然資源
全省人口の70%以上は農民。多くの出稼ぎ労働者輩出
教育・研究レベル高くハイテク関連専門人材輩出
賃金毎年20~30%上昇、転職が日常茶飯事、ベテラン技術者の不足発生





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湖南省の特徴 ①
面積:21.18万k㎡ 人口:6、629万人
1人当たりGDP=6,565元(全国平均7,997元)
湖南省の特徴 ②
労働者平均給与=10,976元(全国平均12,422元)
エンゲル係数=35.6%(全国平均37.7%)
*エンゲル係数=消費支出に占める食料費支出割合

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長沙市の特徴 ①
面積=1.18万k㎡ 人口=587万人
長沙国家ハイテク開発区は1988年に創設
長沙市の特徴 ②
一般労働者人件費:500~900元/月
普通技術者人件費:780~1,480 元/月
高級管理職人件費:1,300~3,500 元/月
上海市等より人件費は低い(差は20~30%)

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長沙と日本の消費構造の違い

日本 長沙 備考の順
飲食料品 30% 11% 食生活は質素
衣料・身の回り 7.4% 40%
石油・石油製品 10.1% 16.0% 2004 年40%増加ガソリン1 リットル3 元→4.5 元
車・バイク 12.2% 28% 2004 年30%増加トヨタクラウン500~600 万円(20~30%高い)
その他 内装家具・化学工業材料2004 年51.7%増加

・ 長沙の消費者所得は日本の約20%
・ 食料品の価格は日本の5~10%
・ 衣料品の価格差は殆どない






2005 年構成比の高い小分類
構成比 備考
衣料靴・鞄11.2%
家電 9.3%
保険医薬品9.3% 医療費は自己責任

2005 年伸び率の高い小分類
構成比 備考
日用品
130.9%
事務用品 132.6% パソコン関連用品
携帯電話関連 146.7%

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湖南平和堂 ①
1998年11月オープン 資本金5000 万US ドル、売上高8.7億元(2006年)
経常利益5,800万元、店舗面積50,000 ㎡(通路含む)
従業員2,500 人(内正社員830 人、保安要員77 名、チェッカー200 名含む)
信用力のある地域一番店を目指す(消費者のブランド志向が強い)
湖南平和堂 ②
テナント売上は平和堂がすべて預かり1 ヶ月後テナントへ支払う
売上をレジで回収するため、各フロアに設置。80 台稼働
レジは1 日6.5 時間労働の正社員2 名が担当。

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湖南平和堂 ③
不正防止のため月1 回全商品の棚卸を実施
不正を防止する牽制のためにも実施
ロス率は現状0.01%に止まっている
湖南平和堂 ④
大型店の出店を規制する法律はない。
カルフール、メトロ、ウオルマート、オーシャン(仏)
ロータス(タイ)などの大型店とも競合している

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湖南平和堂 ⑤
湖南省で始めてセルフサービス形態での営業
オープン時は当社を含めて9店舗であった市内大型店は現在、
百貨店・ハイパータイプ・家電量販タイプ合計で20店舗超える
徴税の公平感に欠け、レジ登録の透明性高く公設市場閉鎖して転換
湖南平和堂 ⑥
来店客は多いがその割に実際の買い物をする客少ない。
170 万人の人口の内、ターゲット顧客は20~30 万人(店が顧客を選択)
ファッション関連の面積は開店時の3倍に増加
中国国内では問屋機能が少ないが、消費者の商品選定基準の第一位はブランド

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湖南平和堂オープン後の重点取組事項
重点取組事項 備考
~1999 年 直営からテナント、コンセへ
~2001 年 増床会員カード導入(2002 年スタート)1 回の購入金額500 元以上が対象
1 元で2 ポイント→金券の発行カード会員10 万人、全館売上高の40%占める
~2005 年 国際ブランド導入テナント人材の育成
~2007 年 WEB サイト開設

2001年の店舗リニューアルのポイント
改装前 改装後 備考の順
7階スポーツ スポーツ
6階レストラン レストラン
5階アミューズメント・フードコート 子供関係・アミューズメント・玩具文具・家庭用品
4階家庭用品・インテリアスポーツ・実用衣料・寝具インテリア
3階実用衣料・子供関係・玩具文具 ファッション衣料拡大
2階婦人衣料・紳士衣料  ファッション衣料拡大「U2」、「G2000」、「ジョルダーノ」、「エスプリ」ヤングの品揃えを強化
1階化粧品・靴鞄 化粧品・靴鞄  国際ブランド導入
BF スーパーマーケット  スーパーマーケット、フードコート

* 日常品はハイパータイプの大型店と競合、売上高は減少
* ファッション衣料とファッション雑貨の売上高が増加
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湖南平和堂 ⑦
4 階の寝具インテリア売場でのブランド別コーナー展開
湖南平和堂 ⑧
5 階の子供関連売場のシューズのコーナー展開

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湖南平和堂 ⑨
1 階の化粧品売場の国際ブランド展開
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湖南平和堂 ⑩
1 階の国際ブランドのコーナー展開

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イトキン上海工場 ①
上海から約30km郊外の松江にある
加工産地は北部の大連、南部の松江といわれた
同地域へは日系企業430 社が進出
イトキン上海工場 ②
工場労働者の月給14,000 円~20,000 円(ボーナスは1 ヶ月)
当初300~400 元→1200 元へ(最低賃金が設定、年率10~15%アップ)
沿海地域の人件費が高騰、製造業は内陸部へ移転を検討

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イトキン上海工場 ③
敷地面積34,000 ㎡、従業員700 人
(1,200 人から減少、日本人は9 名)
中国で4 工場運営(繊維3、家具1)、1994 年より稼働
イトキン上海工場 ④
製品企画は日本の本社で実施
仕様書に基づいて生産・加工

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イトキン上海工場 ⑤
クレージュ、エル、ニコルスポーツなど日本企業から
依頼のあるOEM生産だけでは厳しい、中国企業からの注文へも対応
(ブランド力ある企業が日本企業買収の可能性)
イトキン上海工場 ⑥
繊維生産工場では労働意識の低下傾向
20~30%の従業員が休み明けに復帰せず
繊維生産では企業の初期投資少ない

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イトキン上海工場 ⑦
縫製を中心にスタート。現在は物流機能がメインに
中国国内の400 店舗へ出荷
イトキン上海工場 ⑧
人海戦術によるピッキング作業
日本のイトーヨーカドーへの出荷も準備

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イトキンビル
南京路歩行者道にある
ダメージジーンズのバーゲン価格
980 元→780 元
ウオルマート①
上海にはハイパーマート型の大型店
カルフール6 店舗、ウオルマート1 店舗
その他にルーツ(米国)が営業
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ウオルマート②
豚ヒレ肉500g7.9 元(119 円)、豚肉皮500g2.9 元(44 円)
鶏肉500g4.9 元(74 円)提供単位は大きい
牛ステーキ1 枚19.8 元(297 円)
ウオルマート③
営業時間は7 時~22 時30 分
スーパーセンター業態では24 時間営業
の店舗が多い
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ウオルマート④
店舗入り口付近では多くの
ロッカーが配置
ウオルマート⑤
店舗入り口付近では多くの
ロッカーが配置
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2006年タイ・バンコク視察報告

2007年01月10日

2006年タイ・バンコク視察報告

関西本部 鐘井 輝

 去る11月23日(金)~11月27日(月)の 4 日間、関西本部の清沢康弘先生、北川貞夫先生、田中清行先生、北村秀一先生、仲西貞之先生と私が参加してタイ・バンコクの視察旅行に行ってきました。今回の視察旅行は京都の商社に勤務されている仲西先生のご尽力により実現し、大変有意義な内容となりました。

 日本では冬に向かい寒さが日ごとに厳しくなっていく時期でしたが、バンコクでは最高気温が30℃を超え、真夏の暑さを感じる視察となりました。

 わが国は現在において、持続的な経済成長がみられてきておりますが、今回はタイ・バンコクの現状、現地進出の日本企業の経営を探るため訪問しました。

 タイ・バンコクは私にとって今回初めての視察地でしたが、アジア各地との比較も踏まえながら状況やトピックスをレポートします。






 タイの総面積は約513,115k㎡であり、日本の約1.4倍の領土となっています。タイの総人口は約6,335万人(2004年)ですがそのうち約584万人がバンコク市集まっています。1バーツ=3.1円。日本との時差は-2時間。年間を通して最高気温は30℃を越え、日本の真夏に近い最高気温の都市です。

タイ・バンコクの日系企業

 タイの投資累計額は1985~2005年、認可ベースで日本からが40.5%、アジアNIES21.4%、ASEAN諸国からが3.3%、アメリカ15.3%、ヨーロッパ20.0%(ジェトロバンコクセンター2006,11)で、日本からの投資受入が大きなウエイトを占めています。





  
ナワナコン工業団地進出の日系企業        フジクラグループKDK(株)河西社長と記念撮影

 タイへの進出についての利点として安価な労働力、現地市場の成長性、政治・社会情勢の安定性、第三国輸出拠点としての利便性等があげられています。反面問題点として税務・法務の不透明な運用、労働コストの上昇、人材の不足、ジョブホッピングの多さ等が指摘されています。

 今後はタイ国だけに限ったことではありませんが、日系企業の海外への進出への留意点として、自社経営理念・方針の現地従業員への伝達、現地の幹部を交えた会議の定期的開催、要望の吸い上げ、従業員の冠婚葬祭など会社外行事の積極的関与、現地従業員のことを考えて経営を行っていることを理解させる等のコミュニケーションへの配慮が不可欠といえるでしょう。

タイ、バンコク2006視察レポート
平成18年11月23日~27日
鐘井輝経営事務所
中小企業診断士 鐘井 輝

タイ、バンコク2006視察レポート
スワンナプーム空港
2006 年に開港、以前はドン・ムアン空港
近代的で格調ある国際空港
(2006 年予測4,500 万人、2005 年羽田6,328 万人、北京4,100 万人)









タイ・バンコク概要 ①
タイ全国人口6,197 万人
首都バンコク人口563 万人
仏教徒95%、回教徒4%、キリスト教徒0.6%

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タイ、バンコク2006視察レポート
タイ・バンコク概要 ②
タイ平均寿命 男71.4 女76.4
(中国2000 年71.4、日本1967 年71.5)

タイ・バンコク概要 ③
日本とタイのFTAは農業問題がネックになり
遅れている(日本は先進国としての態度が必要)

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タイ、バンコク2006視察レポート
タイ・バンコク概要 ④
2006年9月18日のクーデターは18回目
2006年11月現在も戒厳令下
クーデターの支持率は60~70%

タイ・バンコク概要 ⑤
国王、君臨すれど統治せず
国民から尊敬され、言葉を命令ととる
月曜日は国王の誕生日、曜日カラーは黄色

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タイ、バンコク2006視察レポート

タイ・バンコク概要 ⑥
タイの2005年GDPは22兆円
(日本は523兆円、中国は258兆円、米国1,445兆円)
タイの2005年1人当たりGDPは30.9万円
(日本は408.5万円、中国は19.8万円、米国487.3万円)

タイ・バンコク概要 ⑦
タイの2005年経済成長率は4.5%
(日本2.6%、中国10.2%、米国3.2%)

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タイ・バンコク概要 ⑥
日本人商工会議所会員数1,252社、43万人(2006年1月)
在タイ日系企業総数就業者100万人以上
バンコク市内の交通状況 ①
公共交通機関のバス乗車賃は6バーツ
ガソリンは1 リットル80 円
(月平均所得約3万円から見ると高額)

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バンコク市内の交通状況 ②
非常に混雑する交通状況、1 時間で100m の場合も
王室などの通行時は通行の規制でさらに渋滞
バンコク市内の交通状況 ③
小回りのきく小型3輪タクシー
の活用が多くみられる

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バンコク市内の交通状況 ④
国内自動車販売台数2005 年、トヨタ37%、いすず24%、ホンダ12%、
日産7%、三菱6%、マツダ2%、その他日本車4%、その他6%

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雇用を担うタイ日系企業 ①
フジクラグループ:38,000人、ミネベア(ベアリング):32,000人
松下グループ(TV・エアコン):16,000人、矢崎:15,700人
トヨタ:12,700人、ホンダ:7,000人
雇用を担うタイ日系企業 ②
最大の貿易相手は日本
2005年輸出12.9兆円(日本1.8兆円、14%)
2005年輸入13.7兆円(日本3.2兆円、23%)

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雇用を担うタイ日系企業 ③
タイの投資受入は日本が最大
1)日本40.5%、2)アジアNIES21.4%、3)ASEAN3.3%
4)米国15.3%、5)欧州20.0%
雇用を担うタイ日系企業 ④
投資先としてのタイの魅力
① 政治の安定性、②社会秩序安定、③高度な産業集積、④ASEAN への生産・輸出拠点
⑤投資優遇制度、⑥インフラ整備、⑦良好な対日関係

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タイ進出の利点と課題

(2005 年度海外直接投資アンケート調査結果)

タイ進出の利点

利点 構成比(%)
1 安価な労働力 50.3
2 現地市場の成長性 46.2
3 政治・社会情勢の安定性 43.4
4 第三国輸出拠点として 33.8
5 組立メーカーへの供給拠点 30.3
6 現地インフラ(電力・運輸等)整備 26.9
7 他国リスク分散の受け皿 22.1
8 投資にかかる優遇税制 21.4
9 現地市場の現状規模 20.7

タイ進出の課題

課題 構成比(%)
1 他社との厳しい競合 45.1
2 労働コストの上昇 40.2
3 管理職クラスの人材確保 27.5

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タイ進出、現状の問題点

内容
1 税務・法務の不透明な運用
解釈、適応基準など運用面で一様でない。
追徴課税は税額の3倍
通関時の賄賂(Tea Money)が横行・慣習化

2 労働コストの上昇 原油価格高騰によるコストインフレ、金利上昇、バーツ高等労
働賃金が上昇傾向
労働慣習の違いによるトラブル、労働争議への対処

3 原材料価格の上昇 原油価格の高騰をきっかけに資材価格が値上がりしているが販
売価格に反映されず

4 人材不足 エンジニア、中間管理職の不足

5 定着率が低い ジョブホッピングが多い

6 為替の変動 最近はバーツ高が定着

7 政治が不安定 これまでは安定していた

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JETRO Bangkok ①
1st Floor,Nantawan Bldg.,(Thai Obayashi Bldg.)
161 Rajadamri Road,Lumpinee,Pathumwan,Bangkok 10330,Thailand
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JETRO Bangkok ②
ジェトロバンコクセンターやジェトロビジネス・サポートセンターが
タイへの投資、進出企業への支援を行う

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投資関連コスト比較
(出所:2006年3月 日本貿易振興機構海外調査部)
単位:(円)1$=116 円換算

バンコク ホーチミン 上海 横浜の順

ワーカー賃金
(月額)
16,936
12,876~21,460
19,952~34,916
346,144

エンジニア賃金
(月額)
36,656
28,884~43,268
38,744~68,788
449,036~519,100

中間管理職
(月額)
67,744
66,352~122,264
89,552~176,436
536,384

法定最低賃金
510/日
4,577/月
9,954/月
694/時

賞与支給額 基本給の
2.6 ヶ月
基本給の1~2 ヶ月
基本給の1~3 ヶ月
基本給の4.45 ヶ月

名目賃金上昇率
2002→2003→2004
▲1.1→1.9→3.7
データなし
9.6→13.8→10.1
▲2.8→0.3→▲0.2

工場団地土地購入価格
(㎡当たり)
6,346アマタナコン団地
土地購入不可
2,900~3,480青浦工業園区
132,558~206,016

事務所用賃料
(月額)(㎡当たり)
1,354サウスサトーン通り
2,668OSIC Bldg.
3,289虹橋経済技術開発区
3,553関内地区

レギュラーガソリン価格
71
55
66
125(2005,11 月)

付加価値税
7(財貨サービス税)
0,5,10%品目で異なる
17
5消費税(国税)

日本への利子送金課税(最高税率)
10
10
10


日本への配当送金課税(最高税率)
15
0
10


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タイの流通業 ①
CVS業態のセブンイレブンは全土に2,042店舗
(2003 年3 月現在)タイのコンビニ業界では圧倒的な店舗数を誇る
大手財閥チャロンポカパングループ
タイの流通業 ②
CVS業態2位はアメリカ資本系列のAM/PMが約500 店舗
日本資本系列のファミリーマートは246 店舗(2002 年12 月現在)
セレクト、タイガーマート、スターマート、レモングリーンなどは
ガソリンスタンドに併設されている

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主要なタイ大手流通業

業態 資本系列 店名 経営状況の順
SM オランダ トップス SM業界NO1企業店舗数50(2002 年12 月)
SM 日本 ジャスコ タイ国内10店舗の展開ラチャダピセーク、ラクシーなどで営業
SM ベルギー フードライオン 2004年タイより撤退大半をトップスに売却
SM タイ フードランド バンコクに6店舗展開全店24時間営業、外国人を意識した品揃え
SM タイ ヴィラマーケット 比較的小規模店舗を展開24時間営業
SM 日本 フジスーパー 親会社は神奈川県の富士シティオ株式会社1985年進出、日本製食料品豊富
Suc フランス ビッグシー 33店舗展開(2002 年12 月)黄緑地に赤の看板
Suc イギリス テスコロータス 53店舗展開(2003 年5 月)テスコロータスエクスプレス名の小型店舗も展開
Suc オランダ マクロ 22店舗展開(2002 年12 月)会員制、買い物袋有料
Suc フランス カルフール 17店舗展開(2002 年12 月)百貨店 日本 伊勢丹 日本人御用達紀伊国屋書店、オリエンタルホテルベーカリー
百貨店 タイ セントラル 1957年創業、12店舗展開の最大手タイ系百貨店では一番の高級感
百貨店 タイ ロビンソン 19店舗展開、1997年のバーツ切り下げで為替差損発生、セントラル傘下に入る

タイ・バンコク2006 視察レポート
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タイ、バンコク2006視察レポート
ナワナコン工業団地 ①
バンコク市内から40分
工場敷地内に仏教関連施設の設置
ナワナコン工業団地 ②
この他の主要な工場団地としてランプーン工業団地、
アユタヤのロジャナ工業団地・
サハラッタナナコン工業団地がある

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タイ、バンコク2006視察レポート
ナワナコン工業団地 ③
タイフジクラグループ
1984年設立、現地雇用総数38,561 人(タイ最大)
ナワナコン工業団地 ④
タイフジクラグループ
日系企業の景況感、2006 年上期回復感は乏しかったが
2006 年下期は上向いている

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タイ、バンコク2006視察レポート
ナワナコン工業団地 ⑤
FUJIKRA(THAILAND)LTD.
資本金1,100 万バーツ、従業員数約7,200 人
提案制度、仕事別防帽子の着用、小集団活動など
日本的経営に取り組んでいる
ナワナコン工業団地 ⑥
FUJIKRA(THAILAND)LTD.
賃金は自動車業界に引きずられる(従業員から要求)
2005 年のボーナスは約3ヶ月支給(自動車業界は5~6 ヶ月)

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タイ人気質

(出所:ジェトロバンククセンター2006、11月)
できないことでも「できる」と言う。
分かったと言っても分かっていない。
例外を一旦認めると普遍化する。
認識の幅が広い。
自分勝手な解釈(文章にして残す)。
変わり身の早さ。
本音をなかなか言わない。
要求する場合には具体的に。
メンツに拘る
ホウ・レン・ソウが浸透しにくい。
予見と分析力に乏しい。
仕事に対する、義務感、責任感に乏しい。
時間にルーズ。
技術の継承がすすみにくい。

コミュニケーション時の留意点

経営理念や経営方針の伝達
タイ人幹部を交えた会議の定期的開催
要望などの吸い上げ
従業員の冠婚葬祭、会社外行事への積極的関与
自分達(タイ人)のことも考えて経営を行っていることを理解させる



2004 年台中・台北流通商業立体視察報告

2007年01月10日

- 1 -
2004 年台中・台北流通商業立体視察報告
関西支部 鐘井 輝

 去る6 月 12 日(土)~6 月15 日(火)の 4 日間小濱先生、瀧澤先生、関西からは私が参加
して台中・台北への立体商業視察に行ってきました。
日本では梅雨真っ最中でしたが、一足早く今夏の暑さの洗礼を受けた視察となりました。
わが国は現在において、自動車・デジタル家電などを牽引に景気回復感がみられてきて
いますが、今回台湾の現状を探るため訪問しました。



 今から4 年前にも当学会の視察で台北を訪れており、当時との変化も踏まえながら各地
域の状況やトピックスをレポートします。
台湾の総面積は約36,000k㎡であり、日本の四国より大きく九州よりやや小さい領土と
なっています。

 台湾の総人口は約2,300 万人ですがそのうち約300 万人が台北市集まっています。1 台
湾元=3.3 円(4 年前は2.8 円でした)。年間の平均気温は30℃を越え、日本の真夏に近い
平均気温の都市です。



【台中】
 到着後、台北より自動車で約150kmのところの日月潭を訪問しました。この日月潭と
は湖の名称です。太陽と月の形をしていることから名付けられたそうです。
日月潭周遊船(1 時間、1 人約1,000 円) 日月潭を背景に記念撮影

 日月潭の観光客では日本人は見かけませんでした。台湾の人たちには大変有名な観光ス
ポットですが、台北から遠いという場所的な面から日本人は殆ど訪れないそうです。さら
に一昨年度の地震、昨年度のSARS、今年の総統選挙の混迷が台湾の観光に悪影響を与え
ているようです。
台中の郊外には田畑も多く、台北や高雄のように台湾経済の中心部分とはいえませんが、
来年の秋に新幹線が開通予定であり、それを見込んでのホテルなどの建設もすすめられて
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いる状況でした。
春の字を逆に掲示(春が来た) 檳榔販売店(愛好家は1,000 万人?)





【台北】
[台北101]
 アジアで一番の高層建築台北101 の視察を行いました。まもなく上海で建築されるビル
にその高さを追い抜かれるようですが、商業施設が併設された近代的なビルです。
台北101 地番プレート 台北101 玄関






 本館は内装工事中で未だ入居者はありませんが、ショッピングゾーンでは有名ブランド
や台湾の有力な企業が入居してビジネスを行っています。価格は高めであり、ウィンドシ
ョッピングの地元客が多いようです。価格調査結果を以下、簡単に紹介します。

1 階のカジュアルウエアコーナーではEsprit のロングスカートが2,680NT$(8,840 円)、
Tommy Hilfiger のメンズポロシャツが2,580NT$(8,510 円)、同じくレディスデザインロ
ングパンツが2,780NT$(9,200 円)でした。

2 階にあるインポートコーナーではJean Paul Gaultier のレディスカットソーが13,200NT
$(43,560 円)、同じくAnne Klein New York のサンダルが7,800NT$(25,740 円)、Ralph
Rauren のメンズアロハシャツが14,800NT$(48,840 円)でした。







4 階のレストランゾーンでは日系の飲食店が賑わっています。代官山居酒屋の有機惣菜
セットが260NT$(860 円)、同じく創作魚料理が220NT$(730 円)、デザートが120NT
$(400 円)、WASABI-BUFFET の海老丼が180NT$(600 円)、同じく鰻丼が180NT$
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(600 円)、ちらし寿司が150NT$(500 円)でした。
2 階Anne Klein New York 店内 1階Esprit 店頭

【中華民國企業経営管理顧問協会】

 以前に瀧澤先生が中小企業診断協会からの派遣で台湾の経営コンサルタントの教育をさ
れた経緯から、今でも親密な関係を維持されている中華民國企業経営管理顧問協会顧問の
劉成基先生のお骨折りで交流会が持たれました。
当日は同顧問協会理事長の王添義先生をはじめとして10 人の先生方とお会いすること
ができ、今後の販売促進学会との連携や協力について話し合いました。





 また当日は中華民国経済部中小企業所財務融通組副組長の劉馨正氏も出席されて、今後
の台湾における経営コンサルタントのレベルアップの必要性を述べられました。過日、日
本からの衆議院議員の訪問時には日本と台湾の今後の一層の協力関係強化について、話し
合い場を持ったことについての報告をされました。



 日本の中小企業大学校が海外からの派遣生を受け入れていない現状から、当販売促進学
会が何らか形で支援をさせていただくことも重要な意義があると考えられます。
劉馨正中小企業所財務融通組副組長 同顧問協会理事長王添義先生

【財団法人中華工商研究院】

 劉成基先生は財団法人中華工商研究院の董事長も兼務されており、同財団との交流会の
設定もしていただきました。前述の中華民國企業経営管理顧問協会は主として実務的な指
導を行っているのに対し、当財団は台湾における理論面、いわば学会を統括している機関
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とみることができます。社会人教育にも熱心に取り組まれ、主に公務員の理論や知識教育
を担当されて、大学院修士課程教育についてはアメリカから先生を招き英語での授業を行
っておられる模様です。

 販売促進学会も何らかの連携が行えないかを模索していく必要があり、小濱先生から同
財団に対してお招きいただいたお礼の挨拶のなかで協力を惜しまない旨の申し出がありま
した。
財団法人中華工商研究院の先生方と 左より劉先生、唐先生、瀧澤先生

【立体商業視察まとめ】
 台湾は島国で日本とよく似ており、活発さは日本と同じです。しかし4 年前の台湾は経
済成長率7.9%、世界第一でしたが今は中国大陸に追い抜かれています。世界の目も生産・
需要の両面で中国大陸に集中しているのが現状です。

 2001 年ITバブル崩壊後、台湾のハイテク産業も中国へ移らないと、競争の維持が困難
になり空洞化が発生してきています。ハイテク産業において台湾同様日本は大変厳しい競
争に入っていくことが予想されるため、歴史的にも友好関係の強い日台が協力して世界の
マーケットで勝ち残っていくことが求められます。

 またサービス産業の成長が今後一層望まれます。インターネットが普及しリアルタイム
で情報が提供され、同一性のあるサービスが要求されています。アジアマーケットへ日台
の企業がサービスをどう展開していくかが今後の流通商業の課題といえるでしょう。
24 時間営業の飲茶レストラン 台北の人気の吉野家

「SP&MD2 号」日本販売促進学会2004 年8 月号執筆原稿


ベトナム 2003 視察レポート

2007年01月10日

ベトナム 2003 視察レポート

ホーチミン市内はバイク交通
日本製人気高い、1,700$
中国部品輸入車は400~600$
中古自動車輸入は禁止

小売店の販売員
国民の中間年齢、日本は42 歳、ベトナムは24 歳

ベトナム 2003 視察レポート
ベトナム戦争の戦場
ベトナム戦争のトンネル
ベトナム兵が使った「クチ」トンネル入り口

ベトナム 2003 視察レポート
官庁街道路
ホーチミンのポスターが掲示されている
ドンコイ道路
イベントで多くの若者が集まる
(ホーチミン市約550 万人、ベトナム全土約8,000 万人)








ベトナム 2003 視察レポート
ベンタン市場入り口
卸売と小売は分かれていない
陶器店店頭
バッチャン村で生産される陶器は
「バッチャン焼」は「安南焼」とも
よばれている

ベトナム 2003 視察レポート
刺繍布地
ベトナム刺繍製品は世界的に有名
螺鈿使いインテリア
細かい細工のインテリア商品は
非常に安い:購入価格7$

ベトナム 2003 視察レポート
螺鈿使いインテリア
細かい細工のインテリア商品は
非常に安い:購入価格10$
木製灰皿
細かい細工のインテリア商品は
非常に安い:購入価格2$

ベトナム 2003 視察レポート
インテリア用刺繍布地
細かい細工のインテリア商品は
非常に安い:購入価格2$(フレーム除く)
インテリア用刺繍布地
細かい細工のインテリア商品は
非常に安い:購入価格3$(フレーム除く)







ベトナム 2003 視察レポート
和服縫製作業場
市内高級住宅街に立地している
和服縫製作業場入り口
和服縫製仕様書
航空便で反物と仕様書が
作業場に届けられる

ベトナム 2003 視察レポート
和服縫製 1
日本では仕立てに約30,000 円
当地では約2,000 円で仕立て可能
和服縫製 2
日本の呉服企業より定期的に仕事が入る
当地企業の投資は少ない

ベトナム 2003 視察レポート
外資企業の工業団地への誘致
日本からの投資はシンガポール、
台湾に次いで第三位
自動車部品メーカー工場内 1
工場労働者賃金は月額約60$
ベトナム 2003 視察レポート

自動車部品メーカー工場内 2
5S が徹底されている
自動車部品メーカー工場内 3
訓練用配線版が準備されている

ベトナム 2003 視察レポート
自動車部品メーカー工場内 4
ポロシャツ・帽子のカラーで作業と
職位を明確にしている
自動車部品メーカー工場内 5
2003 年基本方針







ベトナム 2003 視察レポート
ベトナムラーメン 1
野菜をちぎって
ラーメンに入れ食べる
ベトナムラーメン 1
辛子、味噌を好みで加え
揚げパンをつけて食べる

ベトナム 2003 視察レポート
MPI 玄関
MINISTRY OF PLANNING AND INVESTMENT
日本企業の投資成功率約70%、合弁企業は難しい

ベトナム 2003 視察レポート
SULECO
人民委員会海外研修生派遣サービス会社
福祉社会庁が海外の受け入れ先を斡旋
日本での賃金は約60,000 円

2003 年ベトナム視察レポート

平成15 年12 月

鐘井輝経営事務所

中小企業診断士 鐘井 輝




2003年台湾経営環境視察レポート

2007年01月09日

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2003年台湾経営環境視察レポート

帝塚山大学経済学部講師鐘井輝
 2003年3月24日~28日の間、台湾企業の経営環境を調査するために高雄・台中・台
北の有力企業や施設の訪問を行い、個別企業の経営環境の現状や取組について調査しまし
た。経済動向や経営環境全般についてちょうど年前の年に同地を訪問して調査を 2000年
行いましたが、前回とは大きな異なりが見受けられています。
2000年にわが国の商工会議所にあたる台北商業総會の都彦豪駐曾顧問から台湾の現状
について説明を受けました。内容の要約は以下の通りでした。

 台湾は島国で日本とよく似ており、活発さは日本と同じであり、台湾の経済成長率は今
のところ( 2000 年、7月現在)7.9% で世界第一である。

 台湾経済のほとんどは、中小企業に頼っているのでこれを重んじていかなければダメに
なってしまう。過去年間中小企業は貢献してきたし、これからも変わらないだろう。
中小企業も全世界の経済の状況に合わせて、自由化と透明化に応じていく必要がある。
 透明化の問題は難しい。(世界貿易機構)に加盟することになれば、ますます自由化へWTO
の取組みが大切になってくる。

 コンピュータ関係は日本の中小企業とタイアップして努力していくが、伝統的な体質の
中小企業の存続が問題になっている。これからも、(靴、自転車などは)中国、ベトナムな
どへ移転していくことになろう。
 新政権(陳水扁総統)の考え方は、台湾は日本やヨーロッパと同じような組織を真似て努
力して行こうという路線である過去年間李登輝総統の政策は行きたいところでも
そんなに急ぐな」とした政策だった。中国に行くにも大きい投資はしなかったので、大企
業は行けなかった。新政権ではその政策が良いのか、良くないのか検討中である。台湾企
業にとって、中国は土地や人件費など、魅力もあり、大企業もこれから中国に投資してい
くところが増えるだろうということでした。

 前回の調査結果も踏まえ、以下今回の視察で気づいた点について報告します。

台湾の現状と台湾からみた日本

 日本と台湾の民間ベースでの交流に中心的な役割を果たしている台中商務協議会の会長
であり、前台湾銀行頭取鄭世松氏を交え台湾の現状と台湾からみた日本というテーマ
でディスカッションを行いました。ポイントを箇条書きで挙げます。

*台湾は1970年代まで日本を手本にその後を追いかけてきた。

*アメリカ経済が良くなかった1980年代からは日本と異なった行動をとった。
 具体的には台湾はハイテク方面に力を入れたアメリカ経済が良くなかった関係もあり
 海外へ留学していた人材や外資系企業で働いた人材が台湾に戻ってきた。

* 1990 年代の始めにハイテクの基礎ができあがり、その後4.5~ 5%の経済成長が維持
できた。

* 1980年代後半からローテクは中国に移ったがハイテクによりカバーした。

* 1997,98年のアジアで発生した金融危機のときにも台湾は影響を受けなかった。
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* 年ITバブル崩壊後、台湾のハイテク産業も中国へ移らないと競争が維持できな2001
くなり空洞化が発生したため、現在上海では台湾人が40~ 50万人活動している。

*サービス産業の成長が望まれる。
「インターネットが普及しリアルタイムで情報が提供され、同一性のあるサービスが要求
されている。アジアマーケットへ企業がどのようなサービスを展開していくかが課題に
なる」。

*これから中国経済の成長が脅威になる。
「台湾においてハイテクが経済に貢献したのは海外へ留学していた人材や外資系企業で働
いた人材が戻ってきた背景があったが、同様に天安門事件で流出した人材が中国に戻り
ハイテク経済成長に寄与する可能性がある。ハイテク産業において日本、韓国、台湾は
大変厳しい競争に入っていくことが予想される」。

*日本人経営者は慎重すぎるのではないか。
「オーナー経営者が少なくなり、過剰なまでにリスクを避けているのではないか。オー
ナー経営者は先行きが見えないときにも判断を行う。日本企業での起業家精神、チャレ
ンジ精神が見られない。日本では金融機関も含め先行き不透明を理由に決断を避けてい
るのではないか(決断しないことも一つの決断になるのではないか。台湾ではベンチ
ャービジネスが多くリスクのある活動もとられている。リスクがあっても判断する」。

*アメリカの経営スタイルからも学ぶべきではないか。
「アメリカは判断できる人を経営者に迎える。アメリカの企業も間違いをおかすがそれを
すぐに直す姿勢がある」。

*台湾の優秀なミドルマネージャーは将来オーナーになる夢を持っている。
「台湾ミドルマネージャーは若く、活力がある。日本人のミドルマネージャーはリストラ
に怯えていないか。台湾では職業学校を作る方向で教育が見直されている。日本では技
能職につく人がなくなってきているのではないか」。

2 サービス産業の動向
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 サービス業関係では高雄・台中・台北のいずれの訪問地でも多くのフランチャイズチェ
ーンの展開がみられました。セブンイレブンやファミリーマートなどのわが国の代表的コ
ンビニエンスストアやケンタッキーフライドチキン、ドトールコーヒーなど日本と同様の
店舗が営業を行っています。

 なかでも邱永漢の導入した大創産業の「50 元ショップ」、吉野家の牛丼などが人気を集めていました特に吉野家の朝食メニューは玉子ハム牛肉コーヒーが49元約 180 円)と価格が手ごろなため大好評です。 。ちなみにアルバイト従業員の時給は90 元(320~330 円)が相場になっていました。

 以上いずれの視察も経済界の方とのヒアリングを中心に行いました。今回印象が強かっ
た点は次の2点です。

①日本全体が先行きの不透明感を理由に決断や判断を避けているという指摘、
②経済活性化のためのサービス産業分野成長への期待です。

2003年と2000年のレポートの比較から、今後日本経済が再活性化するためのキーワー
ドとして
①ハングリー精神、
②リスクテイク、
③バイタリティ
を挙げることができるでしょう。

滋賀県商工会連合会機関誌年月号執筆原稿2003 5