2004 年台中・台北流通商業立体視察報告
2007年01月10日

2004 年台中・台北流通商業立体視察報告
関西支部 鐘井 輝
去る6 月 12 日(土)~6 月15 日(火)の 4 日間小濱先生、瀧澤先生、関西からは私が参加
して台中・台北への立体商業視察に行ってきました。
日本では梅雨真っ最中でしたが、一足早く今夏の暑さの洗礼を受けた視察となりました。
わが国は現在において、自動車・デジタル家電などを牽引に景気回復感がみられてきて
いますが、今回台湾の現状を探るため訪問しました。

今から4 年前にも当学会の視察で台北を訪れており、当時との変化も踏まえながら各地
域の状況やトピックスをレポートします。
台湾の総面積は約36,000k㎡であり、日本の四国より大きく九州よりやや小さい領土と
なっています。
台湾の総人口は約2,300 万人ですがそのうち約300 万人が台北市集まっています。1 台
湾元=3.3 円(4 年前は2.8 円でした)。年間の平均気温は30℃を越え、日本の真夏に近い
平均気温の都市です。

【台中】
到着後、台北より自動車で約150kmのところの日月潭を訪問しました。この日月潭と
は湖の名称です。太陽と月の形をしていることから名付けられたそうです。
日月潭周遊船(1 時間、1 人約1,000 円) 日月潭を背景に記念撮影
日月潭の観光客では日本人は見かけませんでした。台湾の人たちには大変有名な観光ス
ポットですが、台北から遠いという場所的な面から日本人は殆ど訪れないそうです。さら
に一昨年度の地震、昨年度のSARS、今年の総統選挙の混迷が台湾の観光に悪影響を与え
ているようです。
台中の郊外には田畑も多く、台北や高雄のように台湾経済の中心部分とはいえませんが、
来年の秋に新幹線が開通予定であり、それを見込んでのホテルなどの建設もすすめられて
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いる状況でした。
春の字を逆に掲示(春が来た) 檳榔販売店(愛好家は1,000 万人?)

【台北】
[台北101]
アジアで一番の高層建築台北101 の視察を行いました。まもなく上海で建築されるビル
にその高さを追い抜かれるようですが、商業施設が併設された近代的なビルです。
台北101 地番プレート 台北101 玄関

本館は内装工事中で未だ入居者はありませんが、ショッピングゾーンでは有名ブランド
や台湾の有力な企業が入居してビジネスを行っています。価格は高めであり、ウィンドシ
ョッピングの地元客が多いようです。価格調査結果を以下、簡単に紹介します。
1 階のカジュアルウエアコーナーではEsprit のロングスカートが2,680NT$(8,840 円)、
Tommy Hilfiger のメンズポロシャツが2,580NT$(8,510 円)、同じくレディスデザインロ
ングパンツが2,780NT$(9,200 円)でした。
2 階にあるインポートコーナーではJean Paul Gaultier のレディスカットソーが13,200NT
$(43,560 円)、同じくAnne Klein New York のサンダルが7,800NT$(25,740 円)、Ralph
Rauren のメンズアロハシャツが14,800NT$(48,840 円)でした。

4 階のレストランゾーンでは日系の飲食店が賑わっています。代官山居酒屋の有機惣菜
セットが260NT$(860 円)、同じく創作魚料理が220NT$(730 円)、デザートが120NT
$(400 円)、WASABI-BUFFET の海老丼が180NT$(600 円)、同じく鰻丼が180NT$
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(600 円)、ちらし寿司が150NT$(500 円)でした。
2 階Anne Klein New York 店内 1階Esprit 店頭
【中華民國企業経営管理顧問協会】
以前に瀧澤先生が中小企業診断協会からの派遣で台湾の経営コンサルタントの教育をさ
れた経緯から、今でも親密な関係を維持されている中華民國企業経営管理顧問協会顧問の
劉成基先生のお骨折りで交流会が持たれました。
当日は同顧問協会理事長の王添義先生をはじめとして10 人の先生方とお会いすること
ができ、今後の販売促進学会との連携や協力について話し合いました。

また当日は中華民国経済部中小企業所財務融通組副組長の劉馨正氏も出席されて、今後
の台湾における経営コンサルタントのレベルアップの必要性を述べられました。過日、日
本からの衆議院議員の訪問時には日本と台湾の今後の一層の協力関係強化について、話し
合い場を持ったことについての報告をされました。
日本の中小企業大学校が海外からの派遣生を受け入れていない現状から、当販売促進学
会が何らか形で支援をさせていただくことも重要な意義があると考えられます。
劉馨正中小企業所財務融通組副組長 同顧問協会理事長王添義先生
【財団法人中華工商研究院】
劉成基先生は財団法人中華工商研究院の董事長も兼務されており、同財団との交流会の
設定もしていただきました。前述の中華民國企業経営管理顧問協会は主として実務的な指
導を行っているのに対し、当財団は台湾における理論面、いわば学会を統括している機関
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とみることができます。社会人教育にも熱心に取り組まれ、主に公務員の理論や知識教育
を担当されて、大学院修士課程教育についてはアメリカから先生を招き英語での授業を行
っておられる模様です。
販売促進学会も何らかの連携が行えないかを模索していく必要があり、小濱先生から同
財団に対してお招きいただいたお礼の挨拶のなかで協力を惜しまない旨の申し出がありま
した。
財団法人中華工商研究院の先生方と 左より劉先生、唐先生、瀧澤先生
【立体商業視察まとめ】
台湾は島国で日本とよく似ており、活発さは日本と同じです。しかし4 年前の台湾は経
済成長率7.9%、世界第一でしたが今は中国大陸に追い抜かれています。世界の目も生産・
需要の両面で中国大陸に集中しているのが現状です。
2001 年ITバブル崩壊後、台湾のハイテク産業も中国へ移らないと、競争の維持が困難
になり空洞化が発生してきています。ハイテク産業において台湾同様日本は大変厳しい競
争に入っていくことが予想されるため、歴史的にも友好関係の強い日台が協力して世界の
マーケットで勝ち残っていくことが求められます。
またサービス産業の成長が今後一層望まれます。インターネットが普及しリアルタイム
で情報が提供され、同一性のあるサービスが要求されています。アジアマーケットへ日台
の企業がサービスをどう展開していくかが今後の流通商業の課題といえるでしょう。
24 時間営業の飲茶レストラン 台北の人気の吉野家
「SP&MD2 号」日本販売促進学会2004 年8 月号執筆原稿
ASEAN視察レポート
THAI Bangkok 視察レポート2013
臺南・高雄視察レポート 2012
臺南・高雄視察レポート 2012
北京 2011年視察レポート
中華民国台北、高雄2011視察レポート
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臺南・高雄視察レポート 2012
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