わが国における革新的小売業の源流

akira

2004年01月04日 09:01

わが国における革新的小売業の源流
越後屋は新しい商いの方法を行うことにより、古い商慣習からの脱皮を図った。
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今までになかった経営方法の開発がなされたといえる。変化を遂げつつあった社
会経済環境のなかで、当時新しく台頭していた商人層やそれに近い農民層をも大
衆購買層と捉え、消費者の立場に立った商いが行われた。それまでの封建支配者
層たる武士だけを対象とはせずに広く大衆を顧客と考えたのである。この大衆顧
客のニーズに基づいた商いは顧客の絶大な支持を受けることとなり、商業資本の
蓄積が行われ、三井財閥の基礎を形成していったのであった。わが国では第二次
世界大戦後の混乱期に再び「正札販売」による小売方法が主張され、顧客の立場
に立った商いの必要性が述べられたが、消費者志向に基づいた小売業のルーツ、
すなわちその原点は「越後屋」の「現金掛け値なし正札販売」にあったのであ
る。「越後屋」の行った革新によるその後の発展は高利個人の堅実な生活態度や
誠実な商業意識に負うところも多い。関連した諸問題の研究は今後の課題として
いきたい。
関西実践経営・第1 6 号1 9 9 8年1 0 月原稿

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